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フロアコーティングの種類と選び方、決める前に知るべき本来の目的とは?

フロアコーティングのニーズの種類と選び方(考え方)

以前にも別の記事で書きましたが、フロアコーティングの種類について各社ユーザーよりの説明がとても少ないので、ライフスタイルや希望に合わせる為にはどう選ぶべきかをユーザー目線で利便性に焦点を絞って書いてみたいと思います。私自身フロアコーティングという商品を結構気に入っていますので、買う側のニーズとのマッチングを業界としてもう少し考えるべきではないか?という憤りから今回はハッキリ目に書いていきたいと思います。

 

まず、何のためにコーティングをするのか?ここ重要です。場合によってはフロアコーティングという選択肢自体に間違いがある可能性もあると思います。個人的に考えるフロアコーティングに向いている人の要望は下記のようになるかと思います。

  • 新築やリフォーム後のフローリングを維持したい(キズから守りたい)
  • 掃除や手入れが面倒くさい
  • 清潔に保つ必要がある
  • ペットの為
  • 高級感を手に入れたい
  • 特殊な素材や機能の床材を使用している

あとはおそらく、業者や友人の紹介・オススメされた人、なんとなーく良いかな?と思った人が多いのではないでしょうか?

家族のフロアコーティング検討会議イメージ

新築やリフォーム後のフローリングを維持したい

「新築やリフォーム後にフローリングを維持したい、キズや凹みからフローリングを守りたい」大多数のフロアコーティングを行うユーザーの希望はこれではないかと思います。ただ正直な話この要望、根本的に微妙かと思います。正に考え方次第でしょうか?

フローリング自体の堅さはその種類毎に大きく変わります。無垢材であればもちろん木の種類によって変わってきます。またシートフローリングにも性質の違いがあるかと思います。したがってフローリング自体に硬度の差があるという事は、その個体差を全てコーティングで補う事自体おかしな話と言えます。

果物のスイカをコーティングした場合、スイカの皮が硬いので結構硬くなると思います。では桃をコーティングすればどうか?決して凹みに強くなるとは思えないですよね?

どちらにしてもベースのフローリングの材料は木です。チタンや石材のような永続的な物質としての強さはありません。したがって物理的圧力があった場合、コーティングを通り越し床材であるフローリングがダメージを受けます。まぁ当然ですよね?

もちろんコーティングを行ったフローリングと、行っていないフローリングでは差が少なからず出るとは思います。しかし、コーティングの塗膜の厚さは種類にもよりますが、せいぜいコンマ数0.1mm~0.5mm程度ではないでしょうか?

普通に考えて物理的なダメージから内側のフローリングを凹みから守る事は不可能に近いのではないでしょうか?

逆にコーティング自体の堅さの基準はどのいうモノなのか?というと鉛筆硬度というJIS規格6B~9Hの17段階で計られているものになります。

ただこの硬度に関しては、この最上位9Hですら鉱物に使われるモース硬度では硬度5となります。私はジュエリー(宝飾業界)の業界に長くいましたのでモース硬度にはなじみが深く、硬度5が日常生活には耐えられない柔らかさだと考えてしまいます。つまり鉛筆硬度は日常生活おいてキズが付く付かないを判別する趣旨というよりは、種類を差別化する為に存在する細分化した硬度表といえます。

宝石モース硬度イメージ

※通常、宝石の定義は硬度7以上、これは石英シリカ)と同じ硬度となります。これは硬度が石英以下の場合、砂埃で傷がついてしまう事を意味し、日常生活環境に存在するだけで傷が付き続けてしまうと言えます。したがって普遍的であるべき宝石には該当しないという線引きです。

コーティング業者はこの鉛筆硬度を計る際、任意の床材に自社のコーティングをしたもので硬度を計っているのではないでしょうか?つまり自宅の自分のフローリングで同じ硬度を担保できる保証は一切なく、各社の硬度差についても各社の数値はひとつとして相対的に評価出来る数値とは言えません。

つまり自社のコーティングの種類の差別として硬度の話をするならまだしも、自社商品の硬度の堅さを謳ってくるような会社はそれ自体かなり悪質と言えます。

結論を言うと、フロアコーティングでフローリングのキズ、凹みに対する細かい傷や多少の圧力からの保護は出来るが、完全に防ぐ事は不可能だと言えます。(これはフロアコーティングの種類による微妙な硬度の差には依存しないのではないでしょうか?)例えればスマートフォンのガラスフィルムと同じような使用感覚でしょうか?フィルムを張った事でどんな事をしてもスマホは割れない、壊れないと思っている人がいたら、かなりヤバイ人ですよね?

つまりキズに対する期待度はその程度に留めておいた方が良いという事です。車の塗料やピアノについて使用キズがついて激怒する人はいませんよね?それは硬いと思っていないからです。木でできたフローリングにコーティングをするだけでカッチカチに堅くなるとは思わない方が良いという事だと思います。

掃除や手入れが面倒くさい、清潔に保つ必要がある

こちらもフロアコーティングを行うにあたって多い要望の一つかと思います。コーティングをした床としていない床、その一番大きな差は耐水性かと思います。フローリングは結局は木ですから、当然水には弱い性質を持っています。その性質がゆえに日本人は昔からニスやワックス、塗りを行い、木を生活の道具としてきました。

逆に言えば何も処理を行っていない木は、日常生活環境において劣化が必然と言えます。その一番の大敵が「水」と言えます。よくドラマやアニメの世界では床を水拭きしていますが、もし磯野家の廊下がワックスをかけていなければ腐ってしまうでしょう。

床材メーカーの説明では、基本的にフローリングは水拭きは避け、どうしても必要がある場合は硬く絞ったもので軽く拭く等の説明が入っています。

その部分でいえばコーティングをする事で水拭きは問題なく行え、水分の浸透を防ぐ事から衛生的な環境を保つ事が出来ると言えます。個人的に世の中の汚れ、また臭いの素は基本的に水分だと考えているので、それが浸透する前に拭き取れるという事は清潔であり、臭いを放つ事もないと言えます。掃除の大好きな人はより綺麗に保て、掃除が大嫌いな人は簡単に維持できるという事でしょうか。

またアルコール等の薬品も本来のフローリングはとても苦手です。これは薬品の種類とコーティングの種類にもよりますが、使用が可能になります。一般的にはウレタン、ワックスは耐薬品性がないようで、シリコン、ガラス、UVのフロアコーティングには共に耐薬品性があるとしている業者が多いです。ただ塩素系の漂白剤に関してはUVのみ使用可能となるようです。

殺菌、除菌という事まで考えると、清潔に保つ必要のある施設やお家にはUVフロアコーティングが最適と言えます。子育てや介護を行っている家庭、そういった施設はマッチングが高いでしょう。

ペットの間接やヘルニア予防の為

ペットの種類や体重にもよりますが、基本的にフローリングは人間が生活するうえで快適に暮らせるよう、弾力性や強度、滑りやすさ等考えられて作られています。したがって動物の種類によってはとても生活しにくくなってしまうのが、私たちの住環境でもあります。当然、人間が熊の巣穴や鳥の巣で生活するのは困難で、快適ではないのと一緒です。

これについて最近では、フロアコーティングの防滑性能が小型犬飼育の環境として適していると考えられているようです。小型犬は室内でも全力で走るので、床が滑る事により、膝や腰に負担がかかり、ヘルニアや関節症の原因になると言われています。小型の犬にとってそれは死に直結する事であり、そういった意味でフロアコーティングは愛犬家にも結構に注目されています。私は猫派ですけどね。

地球上の大地では、もともと滑りやすい場所というのは雨が降らない限りそれほどありません。川沿いの藻の生えた岩などはツルツルに滑りますけどね。ですので、4足歩行の動物はしっかりと大地を踏みしめ走れるように身体が作られています。

つまりペットにとって床とは大地であり、力強く蹴り出せるモノでなくてはなりません。そう考えると家のフローリングはかなり不向きですよね。人間で言えばスケートリンクで生活しているような感覚かもしれません。フロアコーティングの中で防滑性能が備わっているのは、UVフロアコーティングとシリコンコーティングとなります。企業によっては犬用のコーティングを開発している会社もありますので、その選択も良いと思います。

大地を走る犬イメージ

高級感を手に入れたい

完全に好みの問題になります。

木の風合いを残したいならガラスコーティング、ピカピカの床にしたならUVコーティングというところでしょうか?

特殊な素材や機能の床材を使用している

ではどんな床材にコーティングが必要なのでしょうか?私が思うもっともコーティングが必要な床は、床暖房設備を備えた床です。

そもそも床暖房に適した床とは、暖房の熱とその熱による乾燥に強いものとされいます。床暖房用のシートフローリングは、基本的にワックスフリーとされています。ワックスをしなくて良いですよ。という意味ですが、実はワックスはしないで下さいね。という意味の方が強いと私は思っています。

何故かというと、床暖房はそもそも熱源となるパネル(電気式、温水式、ガス式等の方式)を40℃から60℃に上昇させ、床自体の温度を30℃程度まで上昇させる事で室温をあげています。

コーティング材別の耐熱温度比較

フロアーリング用ワックス 70℃前後

ウレタンコーティング   70℃前後

UVフロアコーティング   200℃(てんぷら油も大丈夫)

木            300℃

ガラスコーティング    1,200℃

となり、ワックスでも70℃の耐熱性があると言われていますが、これは全てのワックスの条件ではないかと思います。メーカーや商品によってかなり違ってくるものであり、施工方法がメーカー推奨の正しい手順、工法であった場合に限ると思います。したがって感覚的には150℃以上の耐熱性がないと少し微妙な温度差な気がします。完全に溶ける温度と溶け出す温度の違いや、環境・季節によって少しづつ変動する状況によっては予想外の事が起こらないとは言い切れません。パネル自体が60℃まで上昇する事を考えると様々な条件が重なった場合、溶け出してくる可能性がなくはないでしょう。

また乾燥に強い特徴があるという事は、そういった環境に床暖房のフローリングはさらされるという事であり、自然物である木が永続的にその能力を持ち続ける事は難しいと言えます。乾燥しやすい環境下でも、種類にもよりますがコーティング自体には柔軟性があり、木との乾燥差で張力割れを引き起こす事がないようです。

近年床暖房のフローリングにはシートフローリングが多く使用されています。このシートとは、極端にいえば紙や薄いプラスチックに木目を印刷したフローリングです。もちろん木と同様に素材によっては更に水に弱い性質を持ちます。

そう考えると、逆にコーティングをする事で、表面の保湿性を備える事が出来、更に水抜き等のメンテナンスが可能になる事は、床暖房のフローリングにとってかなり良い効果を得れるのではないでしょうか?

「フロアコーティングのニーズの種類と選び方」のまとめ

いかがでしょうか?そもそも何のためにコーティングをしたいのかを考えなければ、どのコーティングが自分にあっているのかの判断は難しく、単純に金額や先行した商品イメージで決めてしまいがちです。ただ自分が思う良い買い物の条件は、よく考え、その商品のマッチングが必然であると思えるかどうか、ではないでしょうか?いかに考え、結論を出すかが、選択の確信になる事は変わらないと思います。

  • フロアコーティングを何の為にするか明確にするべき
  • 純粋に堅さを指標にするべきではない
  • ライフスタイルに何を求めるか?を考えて検討する

現在は広告手法が様々あり、ユーザーを混乱させています。集客の仕事をしていると純粋な情報はWEB上にはほとんどないと解りますが、一般的には、たどり着いた情報が真実になりやすく、間違った認識のまま選んでしまう場合もあります。フロアコーティング業者の比較をしてみて思う事 - KATABooks|堅本、こちらの記事にコーティング業者の比較についての考察を書いてみましたので、合わせてみていただければと思います。 katabooks.hatenablog.com