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光触媒コーティングとは?室内をシステマティックに浄化できるみたい

光触媒」ご存知の方も多いかもしれませんが、恥ずかしながら私は最近その存在を知りました。もしかしてどこかで聞いていたかもしれませんが、しっかりと認識したのは本当に最近。例によって家のリフォームをする際に巡り合った「商品」となります。なんだか難し仕組みで、完全に内容を理解する事が出来ませんでしたが・・・効果は女性が好む効果なんですが、とっても男子の心をくすぐる仕組みの商品なんじゃないかと思います。 

ハウスコーティングイメージ

 

光触媒」(商品として光触媒コーティングとされている場合もある)

光触媒とは本来は光を照射する事により触媒作用を示す物質(現状商品化されている触媒物質は酸化チタンと酸化タングステンみたいです)の総称みたいです。光触媒作用とは光化学反応の一種として定義されているようですが、プロセスとして特殊な環境下でなくとも触媒反応を起こせる事が、光触媒の利点と言えるんだと思います。

つまり、簡単に有益な作用を起こせる事が「光触媒」の良いところでしょうか?

実はこの光触媒東京理科大学栄誉教授の藤嶋昭氏によって日本で生まれたものらしいです。その後光触媒の研究は進み、その無害性と効果から、今では新幹線やルーブル美術館、宇宙ステーションでも活用されているようです。日本も国として応援している研究のひとつらしいですよ。

簡単に光触媒の効果とは

  1. コーティングをする事で汚れの付着を防ぐ
  2. ゴミ、ペット臭・タバコ臭等の臭いの素を分解する
  3. 細菌、ウイルス、花粉の分解除去

※特に1、の効果により光触媒によるコーティングはビルや橋脚等、日常的な掃除が困難な建造物の外壁へのコーティングのとしてこれまで活躍していました。 

ビル外壁コーティングイメージ

酸化チタン光触媒の主な光触媒作用・効果

基本的に酸化チタンの光触媒は紫外線・紫外光を吸収する際に、下の2つの効果を発揮するようです。酸化チタン光触媒は物質表面に塗膜を形成する事で効果を発揮する。

強い酸化還元作用

触媒効果の仕組みについて難しい事はよく解りませんが、酸化チタンの価電子帯電子が紫外光で伝導帯に励起されると、還元力の強い電子が発生し、非常に酸化力の強い正孔が生成される。それによって水を酸素と水素イオンに酸化、また同時に水を水素と水酸化物イオンに還元するほどの酸化還元能を発揮する・・・ようです。難しいですよね。最初聞いた時はその難しさからはっきり言って眉唾だなーと思いました。

これは、太陽の光エネルギーから水素というクリーンエネルギーが生成されることを意味し、「夢のエネルギー循環サイクル」と世の中的には言われているようです。

光触媒の効果として、この高い酸化作用を利用した有害物質の分解などもあるのですが、有害物質の分解は、効率・処理量共に他の処理方法に劣っている場合が多く、メインの機能としては押していないようです。ですが酸化チタンは、光照射だけで有害物質の処理が出来るという作用のトリガーが単純で容易である事で、その特長を生かして使用されています。壁・床を酸化チタンでコーティングすることで、ブラックライトを照らすだけの容易な殺菌処理が可能となります。この効果が期待されて、現在では病院や幼稚園、保育園など細菌や有害物質が天敵である場所で活躍しているみたいです。確かにそういった場所は多く、逆に殺菌力の強すぎる処理は避けたい場所でもある為、用途・ニーズはかなりありそうですね。色々な試験結果で言っても空気の浄化作用として充分な結果が出ています。 

超親水作用

超親水性を示す作用は、ガラスの防曇加工技術(つまり曇り止めです)として既に活用されています。これも知りませんでしたが、自動車のバックミラーや道路のミラー等を酸化チタンでコーティングしておけば、水がはねついても表面で水滴とはならず、そのまま流れ落ちるので、雨天時の視認性が大幅にあがります。なので、そういった機能が必要な個所にはけっこう昔から使用されているみたいです。

また油性の汚れが定着しないので、雨などの水が流れることにより、表面が洗浄され、いわゆるセルフクリーニング作用をもつ事になるようで、このセルフクリーニング作用は高い耐久性もあってか、既にビル外壁や屋根、テントシートおよび住宅用窓ガラスや道路標識などに塗装として使用されています。

道路標識コーティングイメージ

光触媒が室内でコーティング可能に!

そんな効果のある光触媒ですが、これまではかなりの紫外線量が触媒作用を起こす為に必要だったため、主に日光の当たる外壁や道路設備を中心に使われていました。また、技術的に工事規模が大きくなってしまっていたのも原因のひとつかもしれません。

しかし使用する塗料・技術の研究が進んだ事により、塗膜の形成定着精度、少ない紫外線量での触媒作用の発動を実現し、今後は室内での光触媒の活躍が期待されます。実際汚れの防止効果、防臭効果はもちろん、ウイルスやカビ菌、花粉の除去等、魅力的で「室内に備わっていたらこんないい事はないでしょう」という効果が沢山あります。

またハウスダストホルムアルデヒドも分解するという、子育て中の家族や、ペット、介護中の家族にも持ってこいの効果ですよね。 

じゃあなんでそんな良いものが出回ってないの??そう思いますよね?

広く知られない理由はいくつかあると思うんですが、ひとつは触媒効果そのものの仕組みの難しさがあるんじゃないかと思います。理屈がピンとこないからイメージが湧きづらい、おそらくコレが光触媒の最大のネックですかね?それでも割りと昔から光触媒を利用した商品はあったようです。よく検索して出てくるのは造花が多いです。そのままバラ等の花もありますし、インテリアグリーンとしてパキラ等の観葉植物を模した造花も多く売られてます。なかには水槽内の水質調整・改善として利用する、光触媒フィルターや沈めておくだけのチタンボールなんかもあります。

さらに調べてみると光触媒って大手も商品化しているんですけどね。便器やタイル等の陶器に光触媒を施したTOTO(トートー)のハイドロテクト光触媒が室内で手軽に出来るスプレー型の東芝のルネキャット等、やっぱりいまいち普及してない感じ。スプレー型に関してはファブリーズのような使い勝手にもかかわらずです。

やはり何故そうなるのか?効能や効果期間等、全てを含めて解りづらい。ここを企業はしっかり認識したうえで解りやすく説明してあげるべきですよね。

TOTO(トートー)の床材タイル「ハイドロテクト」

TOTOの環境浄化技術 ハイドロテクト:TOTO

東芝光触媒スプレー

東芝 ルネキャット:トップページ

あとは目に見えない効果である事!ここ重要です。実感値でしかメリットが体感出来ないモノというのは良さそうだけど手が出にくい、サプリメントとか役務のビジネスみたいな感じでしょうか?ダイエットのライザップはそれを解りやすく可視化したって事ですよね?しかも皆が知っている人物を使う事で、これまでのビフォーアフターみたいに「ホントに同じ人?この人」って疑問を無くしました。うーん、さすがに上手いですね。

実際のデメリットもいくつかあります。

良い事を言い過ぎな部分も購買意欲を削ぐと私は思うので、本当はもっとあるんじゃないかな?とも思いますが、

  • デメリット① 高コストである

費用が高い、これが家庭で実用化されづらい一番の理由かと思います。これはスプレー型等の小売商品ではなく、コーティング工事としての価格となります。今はだいぶ金額も下がってきたようですが、まだまだ目に見えない効果を得るサービスとしては高いのかもしれません。特殊な技術と機材を使用する為、そうなるようですが。消費者の感じる価値とはなかなか比例しませんよね。

塗装作業イメージ

  • デメリット② 場所を選ぶ効果・性能

光の当たらない場所では触媒作用が起きない、まあそりゃそうですよね。なかには銀イオンを入れる事で光があたらない時に補助効果を出す光触媒コーティングもあるようです。

ユーザーに対して商品の使用セグメントをもっとしっかり分ける事でニーズを明確にした方が良いような気がします。

つまり、ユーザーのニーズに対して選択する必然性を構築する事が、商品としての魅力になってくると思います。今後「光触媒コーティング」「室内用の光触媒商品」を扱う企業に期待ですね。 

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